インターネットで何かをダウンロードしたことがあれば、Zip ファイル(あるいは、RAR または 7Z などの圧縮ファイル)を見かけたことがあるでしょう。
しかし、見慣れてはいても実際は圧縮ファイルの使い方がいまいち分からない、そんなあなたのためにご説明しましょう。
ファイル拡張子には、何百種類もありますが、その中でも ZIP などの圧縮ファイルはユニークな存在です。圧縮ファイルは、画像やビデオ、音声、またはこれらのデータのいずれか 1 種類を対象とするものではありません。
圧縮ファイルとは、大容量ファイルを管理しやすいよう、圧縮した結果作成されたファイルを指します。ファイルを圧縮すると、データが空き容量を多く取ることなく、ファイルをより速く送信、受信できます。
でも、どうやってデータを破損することなく、ファイル容量を減らすことが可能なのでしょうか?そんな魔法のようなことは不可能なように思えますが、その仕組みを理解できればそれが実現可能であることが納得できるようになります。
「ファイル圧縮って一体どういう仕組みなの?」と不思議に思っているあなたは、どうか続けてお読みください。まずは、基本的なことをご説明しましょう。
Zip 以外にも圧縮ファイルの形式はありますが、Zip は最も一般的な形式です。 ZIP だけでなく ARC、ARJ、RAR、CAB、その他多くの圧縮ファイル形式についてもご説明できますが、これらはすべて同じような仕組みになっています。このため、できるだけわかりやすく短く説明するために、ここでは Zip ファイルのみに絞ってお話しします。
基本的に、圧縮ファイルは、サイズが縮小された 1 つまたは複数のファイルを含むアーカイブです。これらのファイルはサイズが縮小されているため、容量を取らずに保存したり、インターネット上でより迅速に送信したりできます。WinZip のようなプログラムを使うと、ファイルを展開したり、劣化させることなくファイルを元の状態に戻したりできます。
この魔法のようなファイル圧縮の仕組みをもっと詳しく知りたいあなたには、技術的なことに少し踏み入ってご説明しましょう。
ここからは、少し技術的な内容になります。圧縮には、データ非損失型(損失なし)および非可逆型(損失あり)の 2 種類があります。データ非損失型圧縮は、ファイル内の情報を損なうことなくサイズを縮小できます。非可逆型圧縮は、ファイルを機能させるのに必須ではないわずかな部分を切り捨てて、ファイルの大きさを縮小します。ひどく大まかに言うとこういうことになるのですが、これをもう少し詳しくご説明しましょう。
現実には不可能なことのように思えますが、データ非損失型圧縮を実現するには、何も失うことなくファイルを縮小する必要があります。これは冗長性をなくすことよって実現されます。
では、冗長性とはどういうことを指すのでしょうか?
データの冗長性とは、データベースやデータ ストレージの環境内で、同じデータが複数の場所にある状態です。
冗長性を除去することにより、データの各ビットのインスタンスが 1 つずつだけ残されます。
仮に、データ非損失型圧縮前の最初のデータが
AAABBBBBCC
だとすると、これが圧縮されて、
A3B5C2
となります。この情報は、最初の情報と同じものですが、より簡素化され、より短くなっています(数字がその前の文字が連続する数を表しています)。このため、ファイルを展開(Zip 展開する / 開く)しても、元のファイルに戻すことができるのです。特にテキスト データやスプレッドシートには、語やデータを失うことを避けるために、この圧縮方法が使用されています。
非可逆型圧縮は、基本的に同じような仕組みになっていますが、その名が示すように、一部のデータは永久に失われます(このように言うと、望ましくない方法のように思えますが、実際はそうではありません)。
ビデオ、オーディオ、画像などのメディア ファイルの場合は、一部のデータを失っても大惨事にはいたらないことが多いため、この圧縮方法を使用するのが一般的となっています。実際、現在皆さんのコンピューターにある音楽やビデオは、おそらく圧縮されていたことがあり、ビットが失われているのですが、それに気付く人はほぼいないでしょう。これはなぜかというと、除去されたデータは、人間が聞いたり見たりできる能力の限界を超えた部分だからです。
とはいえ、この圧縮方法を使って同じファイルを何度も圧縮すると、毎回データが除去されていくので、ある時点から品質の低下を認識できるようになってきます。
メディア ファイルを頻繁に編集するような人は、写真や音楽、ビデオを送信するときにファイル圧縮がどれだけ重要かをご存じでしょう。帯域幅を大きく消費し、貴重なストレージ容量を大量に使うことは避けたいでしょう。まとめると、ファイル圧縮が重要である理由には何があるでしょうか?
コンピューターにおびただしい数のファイルがあるけれど、しばらく使う予定がない(あるいは、ため込んでしまう性格)場合はどうでしょうか。これらのファイルをハード ドライブに残したままにしておいても、いつか容量がいっぱいになる日が来ます。
そんなあなたは、多数のファイルを 1 つのアーカイブ フォルダーに ZIP 圧縮してしまいましょう。これにより、空き容量を増やす ことができるだけでなく、すっきり整理できます。
古いカンフー映画をハード ドライブに入れたままのあなたは、これをたった 1 つの ZIP ファイルに圧縮してしまいましょう。ビックリするほど空き容量が増えます。
大容量ファイルの送信に時間を多く取られることがあります。また、複数のドキュメントをメールで送信するときにも、ひどく時間が掛かることがあります。メール クライアントによっては、受信できるファイルサイズに制限があり、送信に失敗することも多くあります。
もちろん、添付ファイルを複数のメールに分けて送信することは可能ですが、ムダに時間が掛かり、管理しにくくもなります(受信者も管理に困ります)。
しかし、ドキュメントを Zip ファイルに圧縮すると、空き容量を増やし、よりすばやく送信できます。受信者は、WinZip のようなプログラムを使って、ファイルを展開するだけで、整理された一カ所のフォルダーにすべてをまとめて入手することができるのです。
ハードドライブは、データをたくさん保管すると、容量をたくさん取ってしまいます。
容量がたったの 250GB であるハードドライブに 200GB のデータを保存したいとします。保存すること自体は可能ですが、50GB という空き容量はそんなに大きなものではありません。
より大きくて、より高価なハードドライブを購入し、古いドライブから新しいドライブに移すことで、問題を解決することはできます。
しかし、
ZIP ファイルで 200GB を 100GB に圧縮させることもできます。これにより、必要な時にいつでもファイルを使用できるだけでなく、お金をつぎ込んでより多くの空き容量を確保する必要がないのです。
ここまでお読みいただいて、ファイル圧縮がどのような仕組みで行われ、なぜ有益なのかをおわかりいただけたことでしょう。それでは、ファイルはどのようにして Zip 圧縮し、展開するのでしょうか?
以下に、ファイルを圧縮し、展開する方法をご説明します。圧縮しようしているファイルが比較的小さなものであれば、サードパーティーのソフトウェアを使用せずにお使いの OS でそれらのファイルを Zip 圧縮することができます。右クリック オプションを選択して実行できます。
しかし、数ギガを超えるデータの場合はどうでしょうか?より強力な方法が必要になります。この役目をしっかり果たせるのが、業界トップクラスを誇るファイル圧縮ソフト WinZip です。
Zip 展開もとてもかんたんにできます。
あるいは、
ファイル圧縮の基本は以上です。ファイルのサイズを縮小して、別の場所で元のサイズに戻す、など不可能なように思えますが、実際にそれが可能なのです。
より詳しく知りたい方は、WinZip の Web サイトにあるドキュメントをご覧ください。